イラストレーターの転機。フードイラストを描くことになったきっかけ

絵を描くことは好きだけど
真っ白な紙を目の前にすると
何を描けばいいのか、
何を描きたかったのかわからない。
そんな風に感じたことってないですか?
自分の描く絵に迷いが出てきた時。
それはもしかすると
イラストレーターとしての転機? かも
今までの見方をちょっと変えて前に進む。
そんなきっかけになるために必要なことを
わたしの経験をもとにお伝えします。
結論、角度を変えて素直に感じ取る。
モノや人物を描くことが自分には合っていると
長年思い込んでいたわたしですが
全く別の角度から感じ取ったことで得られた
自分にとって最良なモチーフを発見できました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

苦手意識が高かったフードイラスト

今でこそ
フードイラストを描くことが
本来自分が描きたかったモノなのだなぁーと
自負できるほどになりましたが、
以前わたしはイラストの中でも
「食べもの」を描くことが
とても苦手でした。

オリジナルのイラストでも
食べものはほとんど描かなかったし、
お仕事の中で
食べものを描く機会があっても
背景の一部と脳内処理したり(笑
そこに重点を置くことなく
なんとかやりこなして凌ぐ…
といったありさまでした。

きっかけ

どこでこの苦手意識が
「自分らしいイラスト」にまで
発展したかというと。
それは2019年、
都内にある発酵フルーツをメインとした
カフェの、
パネルとメニューのイラストを描く。
という機会を
いただいたことがきっかけです。
まさにフードイラスト。


カフェが完成したあと、
イラストの出来上がりを拝見するため、
そして発酵フルーツのサンドイッチをいただきに
子どもたちを連れてカフェに行きました。
イラストを描いたのはわたし自身ではありますが
パネルやメニュー、垂れ幕など
とてもかわいく仕上げていただいていて
感動しました。

さらに2021年。
腸内環境改善レシピを扱った、
グループレッスンの方に向けた
レシピカレンダーとして
お料理のイラストをたくさん
描かせていただく機会がありました。

苦手意識の高かったフードイラストですが、
わたしの場合
お仕事で
たくさん描かせていただいているうちに
だんだんと、
フードイラストって面白いモノかも、、、。
と思うようになりました。


エッグベイビーカフェ

「色を選ぶ」ことと「色を作る」ことの違い

なにがどう面白いと感じたかというと、
色を作るという事が、
なんとも性に合っていた。


それってイラストを描く時
当たり前のことじゃないの?
と思われる方も多いと思いますが。
実はこれまでの描き方とは
全く違う事柄なのです。

これまで描いていた
日常や人物のイラストでは
それらに必要となる
構図や色の組み合わせ、
全体の色調トーン。
正直アタマを悩ませるところでもありますし、
それこそイラストを描く人にとっては
醍醐味だという視点でもある
色を選ぶ」または
探す」という描き方。


↑名刺に使っていたイラスト

まず肌の色、髪の毛の色、
ニャンコをベースに描いたら
今度はシャツの色、
何色を持ってこようか、
夏っぽくブルーかな。
そしたらボトムは…
ニャンコと珈琲の色と
トーンを統一したほうがいいな。
カップはピンクか…んー
いやこの人は黄色が好きであろう。
などと、
色の迷いと選択。

↑電車内でおにぎり

こちらはイラスト展の
公募用に描いたものですが。
母親の服装を決めたら
両サイドの子どもの服のバランス、ボトム。
椅子が赤系だから
つり革も統一しよう。
なんか散らかってきたから
マフラー黒にしてシメようか。
など。

↑ある程度決まった色がある場合は
 そのバランスなどに重点を置く

どの色がいいかなーって
迷うのも楽しみの一つでもあります、
もちろん。
これまでそれが
当たり前のことでした。

しかしこれがフードイラストの
場合だとどうなるか。
全く別の楽しみを
味わうことができるのですね。

↑DIXAN九段下のプリン

色を作ることのおもしろさに気付く

例えばこのプリン。
どの色にしようか
という発想はもちろん全くなく、
どの色をどう混ぜれば
この色になるか
ということを思索し
じっくり見る。


ということが必須になってきます。
そう。
「色を作る」というところに
重点がきますよね。
この「色を作る」楽しみに
気づいてしまったのです。
これらは前記と似たようなものに見えるけど
全く別のものなのですね。

フードイラストを描く事に対して
なにがどう面白いと感じたのか、
自分の気持ちに素直に、
時間をかけて分析してみたんです。
お風呂の中で(笑

その結果
この楽しみを見つけることができました。
自分のイラストに対する価値観が
ゴロッと変わった瞬間でした。
どちらがいい、悪い、ということでは
もちろんなく。

心の声を聞く

自分にとって
どう描くのが心地よいのか。
これを探ることは
実は絵を描く事につまづいた時に
とっても大事なことなのですね。

↑どうやれば黄身の色になるか
 この瞬間が楽しい

いまどんな気持ちでイラストを描いていますか?
純粋に楽しいと感じたり
時間を忘れて描いていられる瞬間を
ぜひ見逃さないでください。
そして自分がどうしてそう感じるのか、
じっくりと
思いを馳せてみてください。
お風呂の中をオススメします^ ^


本当に描きたかったものは
もしかしたら全く別の角度から
現れることがあるかもしれないですね。